11-6. 超遠心分離機による核酸の分離
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核酸を超遠心分離機(通常毎分5万回転以上の回転数)で、他の核酸や他の分子と分けることができる
電気泳動のような細かな分析はできないが、大まかな分離や大量処理に向いている
ゾーン遠心分離法あるいは沈降法
スクロースやグリセロール溶液中にある核酸に遠心力をかけると、核酸が遠心管の底まで沈降する
溶液の濃度を遠心管の底ほど濃くして行う場合は密度勾配遠心分離法という
沈降速度は分子密度と分子の大きさ(正しくは沈降係数:S値で表す)に依存する
平衡遠心分離法
塩化セシウム(CsCl)は非常に密度が大きく、遠心中に自然に密度勾配ができるので、DNAを遠心管中の固有の密度の位置に集めることができる
DNAは塩化セシウム密度の小さな所では沈み、大きなところでは浮き上がるが、この方法でDNAより密度の小さいタンパク質や密度の大きなRNAをDNAと分けることもできる
塩化セシウム-EtBr平衡遠心分離法
セシウムイオン(Cs+)はDNAに入り込んでDNAの密度を上げるが、エチジウムブロマイド(EtBr)がDNAに結合するとCs+が入りにくくなり、密度はあまり上がらない
閉環状DNAは、線状DNAと較べるとEtBr結合量が少ないため、塩化セシウム溶液中では線状DNAより密度が大きくなる
この理由により、EtBr存在家で塩化セシウム平衡遠心分離を行うと、線状DNAと閉環状DNAを分けることができる
memo: 沈降係数
沈降係数(S値)はRNAを表現する場合はよく使われる
75塩基長のtRNAは4S、約1,900塩基長と5,000塩基長のヒトrRNAはそれぞれ18Sと28S